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令和6年度埼玉県公立高校入試の分析結果

2024年2月21日に埼玉県公立高校入試が行われました。

入試の概要と各教科の出題傾向などを分析してまとめました。

受験者数は以下の通りです。

受験者数 倍率
全日制全体 39,011 1,11倍
普通科のみ 29,834 1.15倍

県内国公立中学3年生の約63%が受験をした割合となります。この数値はおおむね例年と同じです。

続いて各科目で出題された問題数です。

国語 数学 英語 理科 社会 合計
学力検査問題 25問 23問 31問 28問 30問 137問
学校選択問題 25問 20問 31問 28問 30問 134問

問題数に関しては昨年の問題数と変わっていません。

次に学年別出題数です。

1年生 2年生 3年生
小問数 割合 小問数 割合 小問数 割合
学力検査問題 25問 22.5% 37問 33.3% 50問 44.3%
学校選択問題 18問 16.0% 29問 26.0% 62問 58.0%

学力検査問題、学校選択問題ともに学年が上がるごとに出題割合が増えていきます。

学力検査問題に関しては中1・中2までの内容で約55%、学校選択問題では中3の内容で58%と半数以上を占めているため、どちらのタイプの試験を受けるかによって重点的に学習する範囲にも違いが出てきます。

また、問題のタイプ別でみると選択問題が約35%、記述問題が約60%出題されており、記述問題のうち半分は文章で記述するものとなっています。

用語の暗記だけでは点数を伸ばすことが出来ず、資料やグラフから読み取れることを自分の言葉で記述する力が求められます。

したがって受験対策には記述対策も組み込んで学習を進めていくのがおすすめです。

各教科の問題分析

ここからは各教科の出題内容や傾向を分析したものをまとめていきます。

昨年との違いや問題の特徴などを踏まえてこれから受験する方は対策を進めていってください。

実際の問題や解答解説、配点については埼玉県教育委員会のHPをご確認ください。

令和6年度埼玉県公立高等学校入学者選抜学力検査問題等

【国語】:学力検査問題

出題内容 配点
大問1 小説の読解。出典:辻村深月著『この夏の星を見る』
全5問のうち記述が2問(15~25字、30~40字)、選択問題3問。
登場人物の心情に関する問題が4問。文章の表現に関する問題が1問。
26点
大問2 漢字の読み3問。書き2問。文法、熟語の構成、地産地消のスピーチに関する問題。
スピーチ内の不適切な文を適切な表現になおす記述問題が1問あり。
24点
大問3 文化人類学による文章の読解問題。出典:小川さやか著『手放すことで自己を打ち立てる-タンザニアインフォーマル経済における所有・贈与・人格』
記述問題が2問(35~45字、40~50字)、残りは選択問題。
26点
大問4 古文の読解問題。出典:『一休ばなし』
記述問題が1問、選択問題が2問、歴史的仮名遣い1問。
12点
大問5 「持続可能な社会を築くために私たちができること」についての課題作文(11~13行、文字数は最大195字)
持続可能な開発目標(SDGs)に関する2つの資料を基に自分の考えを書く。
2段落構成で、1段落に資料の読み取り、2段落に自分の体験を踏まえて考えを書く。
12点

出題形式や傾向に大きな変化は見られず、難易度的にも例年通りでした。

漢字では「読み」問題がやや難しいかなと感じますが、しっかり正解しておきたいところ。

大問3での記述問題が40~50字とやや長くなりました。

埼玉県の国語は読むスピード(速読力)や漢字(語彙力)、文法事項の知識、作文力を総合的な国語力が求められる試験です。

総合的な国語力を高めていくためには付け焼刃の勉強ではなく文章の本質を読み取る練習や語彙力の底上げが有効です。

対策を後回しにしてしまいがちな科目ですが、国語の成績UPには時間がかかるものです。

対策を後回しにせず早いうちから国語の文章に慣れておく必要があります。

【数学】:学力検査問題

出題内容 配点
大問1 計算問題を中心に各分野の基本問題。計算・関数・図形・確率など幅広い単元から出題 65点
大問2 作図問題と合同の証明問題。証明問題は2つの正方形を利用した問題。 12点
大問3 会話文の中から考える関数の問題。会話の内容が読み取れれば正解しやすい。 13点
大問4 空間図形を使った図形の総合問題。体積や相似、三平方の定理などから出題。 10点

大問数4問、小問数23問で昨年と変更なし。

例年通りの出題となったためポイントとなるのは大問1での正答率です。

各分野の基本的な問題になりますが、埼玉県入試の数学の大問1は配点が大きく、ここだけで平均点を超えられる可能性もあります。

数学に苦手意識のある子はまず大問1の問題を一つずつ確認して解ける問題を増やしていくようにしましょう。

大問2以降はいわゆる難問に値するような問題もありますが、丁寧に見ていくとヒントとなる条件が見つかりますので高得点を目指すのであれば関数や図形の対策もしっかり行っておくべきです。

【数学】:学校選択問題

出題内容 配点
大問1 計算問題を中心に各分野の基本問題。計算・関数・図形・確率など幅広い単元から出題 45点
大問2 作図問題と合同の証明。 13点
大問3 会話文の中から考える関数の問題。会話の内容が読み取れれば正解しやすい。 13点
大問4 確率の総合問題。樹形図を使って考える問題。 17点
大問5 空間図形を使った図形の総合問題。体積や相似、三平方の定理を活用した問題。 12点

学校選択問題も大問数、小問数は昨年と変わっていません。

学力検査問題を同じ題材の問もありますが、問い方や与えられる情報が変わり難易度が高くなっています。

解き方を暗記した知識ではなくそれぞれの問題で応用力や思考力が試される問題となっています。

一通りの単元学習が終わったら応用問題や融合問題を通して様々な角度から問題を解いて力を付けていきましょう。

【社会】:学力検査問題

出題内容 配点
大問1 世界地理に関する問題。三大洋や気候に関する内容から出題。資料を見て考える思考力を問う問題もある。 14点
大問2 日本地理に関する問題。図表や地形図を用いた問題、資料の読み取り問題も出題。 16点
大問3 江戸時代までの歴史問題。文化史についての問題や記述問題(下地中分について)が出題された。 16点
大問4 近現代の歴史に関する問題。条約改正に関する内容がステップチャートを用いて出題された。 17点
大問5 公民に関する問題。首脳国首脳会議(G7)が写真とともに出題。文章問題では地方交付税交付金に関する問題が出題された。 23点
大問6 地理・歴史・公民の融合問題。豚肉を生産する鹿児島県の取り組みについての資料やグラフの読み取り問題が出題。 14点

問題構成は例年と変わらず、地理・歴史・公民からバランスよく出題されています。

社会の入試問題を見ると選択問題と記述問題が約半々となっていて、文章を書いて答える問題も30点分出題されています。

文章記述ではグラフや表の読み取りはもちろん、出題の意図を踏まえた回答が求められています。

何について問われているのか、どこを見て答えを導くのか、そんな力が求められる入試です。

受験勉強の段階から「ただ用語を覚える」という勉強法ではなく社会の仕組みや歴史の流れなどに注目して理解を深めましょう。

【理科】:学力検査問題

出題内容 配点
大問1 各分野の一問一答形式の問題。分野・学年満遍なく出題されている。学年別に中1で3問、中2で3問、中3で2問。 24点
大問2 会話の場面を題材にした月の動きについての問題。 19点
大問3 観察や生物カード、ノート、会話を題材にした動物の規則性の問題。 19点
大問4 会話の場面を題材にした炭酸水素ナトリウムの化学反応についての問題。 19点
大問5 会話や実験を題材にした物体の運動と力学的エネルギーについての問題。 19点

理科についても大きな変更はなく、地学・生物・化学・物理の各分野から出題されています。

理科では会話の場面や実験を題材にした問題が多く出題されます。

また今年は「探求学習」を踏まえて知識だけではなく考察力を問うような問題も多く出題されました。

理科でももちろん知識は必要ですが、実験の結果どうなる、この条件ならこうなる、というように必要な情報を踏まえて考える力が必要です。

会話やレポート、実験の手順の中から答えを導くために必要なことは、情報を探す「検索力」そして「考察力」。

これらの力を付けていくために一方的な見方ではなく様々な視点から問題を考えていけるようにしておきましょう。

【英語】:学力検査問題

出題内容 配点
大問1 リスニング問題。短い会話やALTによる話、2人の生徒による会話など。英問英答の記述問題もあり。 28点
大問2 英語のポスターとメモを用いた問題。空欄の適語補充(記述)と指定の単語を使った2文以上の英作文問題。 17点
大問3 世界で人口が2番目に少ない国、ニウエについての英文の読解問題。 18点
大問4 ピクトグラムについての発表に向けて話し合う中学生の会話文。内容理解、並べかえ、語句記述問題など。 25点
大問5 ラグビーについてのスピーチの読解問題。
スポーツを見ることとすることのどちらが好きか、自分のスピーチ原稿を3文以上で書く英作文問題が出題。
12点

昨年と比較して問題数による変化はなく例年通りの出題内容となりました。

基本的な語彙や文法事項を問う問題も多く、難易度的にはやや易しめです。

今年の入試では約55点分が記述によるものとなっていたため単語の意味やスペルまでしっかりと覚えていないと減点となってしまう可能性があります。

普段から英単語や文法を正確に覚える意識が大事です。

また例年通りですがリスニングの配点も高いため、早いうちから準備しておくことも必要です。

合わせて大問2以降は英文の読解問題となるので早く正確に英文を読む練習も進めておきましょう。

【英語】:学校選択問題

出題内容 配点
大問1 リスニング問題。短い会話やALTによる話、2人の生徒による会話など。英問英答の記述問題もあり。 28点
大問2 ピクトグラムについての発表に向けて話し合う中学生の会話文。
英語の記述問題、並べかえ、敵語句補充問題で学力検査問題より難易度が高い。
28点
大問3 人口冬眠を近い将来に人間へ適応することについて調べた文章問題。
読み取った内容を適切な形で表現するための語彙力や文法知識が求められる。
34点
大問4 支払いにキャッシュレス決済をもっと使った方がいいと思うかという質問に対して、自分の考えを40~50字で書く英作文問題 10点

こちらも問題数や出題形式に変更はなく例年通りの入試となりました。

今年の英語の学校選択問題の特徴は「中3内容からの出題が約8割」というところです。

関係代名詞や後置修飾など中学3年生で学習する単元からの出題が目に付きました。

もちろん1,2年生の学習内容が頭に入っていないと3年生の内容は解けません。

つまり3年間の内容をしっかりと理解しておかないと高得点とはならない入試ということです。

普段から単語や文法の抜け漏れの無いように隅々まで学習しておきましょう。

※問題分析は北辰図書の資料参照

令和6年度埼玉県入試の総括

今年の入試は大きな変更はなく昨年同様の出題形式となりました。

埼玉県入試の過去問などで学習を進めていた人にとっては取り組みやすかったのではないかと思います。

しかし問題の内容を見るとグラフや表の読み取りを始め、文章記述や思考力系の問題、会話などから答えを導くものなど一筋縄ではいかないような問題も見受けられます。

一方的に教えてもらった「知識」ではなく自分で考えて理解した「知識や考え方」が必要です。

その場だけの理解ではなく、入試で活用できるように学習をしていきましょう。

入試に向けた勉強の仕方、志望校の考え方など少しでも不安に感じることがあればスタディクラブまでお気軽にご相談ください。

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