スタクラ情報局
2019.12.03
センター試験 【国語】の問題構成や攻略法を伝授!
センター試験 【国語】の問題構成と攻略法
今回は、センター試験国語の問題構成および代表的な問題の攻略法について説明していきます。
センター試験の国語では、毎年同じ形式の問題が出題されるのは知っていますか?
代表的なのは次のようなものです:
現代文(評論):同じ漢字を含む熟語等
現代文(小説):慣用表現の意味
古文:傍線部の解釈
漢文:漢字の本文中での意味
「ああ、アレのことね」と思う人も多いことでしょう。
こうした典型問題だけでも対策をしておくと、国語の点数はかなり安定します。
この記事の内容を、ぜひセンター試験の演習でも実践してみてください!
センター国語の問題構成
試験時間・配点
センター試験各科目の試験時間や配点は以下の通りです:
科目 | 試験時間 | 配点 |
英語(筆記) | 80分 | 200点 |
英語(リスニング) | 60分 | 50点 |
数学① | 60分 | 100点 |
数学② | 60分 | 100点 |
国語(現・古・漢) | 80分 | 200点 |
理科① | 60分 | 100点 |
理科② | 1科目 60分 | 1科目 100点 |
地理歴史 公民 | 1科目 60分 | 1科目 100点 |
国語は合計200点となっています。
問題構成
具体的な構成は以下の通りです:
問題 | 分野 | 配点 | 選択方法 |
第 1 問 | 現代文(評論) | 50点 | 必答 |
第 2 問 | 現代文(小説) | 50点 | 必答 |
第 3 問 | 古文 | 50点 | 必答 |
第 4 問 | 漢文 | 50点 | 必答 |
※大学によっては、例えば現代文しか利用しないケースもあります。
では次に、センター国語で高得点を獲得する方法をご紹介します。
問題例は、全て2019年センター試験(本試験)のものです。
センター国語 第 1 問(評論)の攻略法
第 1 問は評論文の読解です。
見開き 2 つ分(4 ページ)程度の文章量になっています。
高度な日本語読解能力が要求される大問です。
同じ漢字を選ぶ問題
文章中に出てくる漢字(カタカナになっている)について、それと同じ漢字をも含むものを、選択肢の中から選ぶという問題です。
例えば傍線部(ア)は「丹念」で、選択肢は
一旦
鍛錬
丹精
担架
破綻
ですので、③が正解となります。
センター試験の国語の中では数少ない、純粋な知識問題です。
考えて答えを導くというよりは、その漢字を知っているかどうかが勝負の分かれ目となるでしょう。
5 問用意されており、配点は各々 2 点なので 2 x 5 = 10 点。
必ず正解したいところですね。
漢字に苦手意識がある人は、専用の参考書で勉強しましょう。
試験に出やすい漢字というのもありますので。
「どのようなものか」という問題
センター試験の評論で最も多い問題形式が「どういうことか」というものです。
そもそも「どういうことか」という問い自体がどういうものなのか、理解する必要がありますね。
上の問題を例に、このタイプの問題の攻略法を考えます。
上の問題では、「翻訳家とはみなその意味では楽天家なのだ」という表現について「どういうことか」と問うています。
つまり「翻訳家とはみなその意味では楽天家なのだ」という箇所だけだとよく意味がわからないので、文脈に即してわかりやすく説明するとどうなるのかと問うているのです。
「翻訳家」は文字通りの意味で、翻訳をする人たちを指します。
したがってこれ以上噛み砕きようがありません。
変更しなきゃいけないのは「その意味で」という箇所です。
指示語があるので、それが指し示す内容を文章から見つけなければなりません。
指示語があるので、それより前の箇所に答えがある見込みが大きいです。
また「楽天家」という語もあります。
簡単ではないもの/できるかわからないものについても「できるだろう」と思っているわけです。
こうしたポイントを元に、答えとなる箇所を探していきましょう。
この問題の考え方の例は次の通りです:
「その意味」の「その」は何を指しているのだろうか?
本文には「まったく違った文化的背景の中で、まったく違った言語によって書かれた文学作品を、別の言語に訳して、それがまがりなりにも理解されるということじたい、よく考えてみると、何か奇跡のようなことではないのか、と。」という箇所があり、これが「その」が指す内容に繋がっていそうだ。
「まがりなりにも〜何か奇跡のようなことではないのか。」の箇所は、楽天家という語に変換されている。
これを説明しているのは④だ!(答:④)
センター試験の選択肢には、本文の表現を言い換えたものがたくさん盛り込まれています。
したがって、本文と同じ語が登場しているからといってそれが正解とは限らないのです。
あくまで、本文の該当箇所と(言葉は違えど)同じことを主張している選択肢が答えとなります。
センター国語 第 2 問(小説)の攻略法
小説文に関する問題が出題されます。
小説文ではあるものの、ちゃんとロジカルに解けるようになっています。
「気分」で解くことのないように注意しましょう。
「本文における意味」を問う問題
本文に登場する慣用句等について、本文中での意味を問う問題です。
…とはいえ、実態として「本来の(辞書的な)意味」を優先するのがポイントです。
文脈だけを考えると誤答になることが多いので、注意が必要なポイントです。
上の問題でいうと、「お手のもの」というのは「得意であるもの」という意味であり、したがって③が正答となります。
この意味を知らないと他の選択肢も正解に見えてしまいますよね。
この問題に対処するためには、日頃から様々な慣用表現を知っておく必要があります。
センター試験間近ですので、明らかに知識が足りない場合は参考書で知識を蓄えましょう。
心情や態度を問うもの
小説ということもあり、登場人物の心情を問うものが出題されます。
でも「なんとなく」で解いてはいけません。
あくまで根拠を元にして、論理的に解いていきます。
上の問題の正解は③なのですが、他の選択肢には不正解である明確な理由があります。
①:「これからは一緒に〜励まそうとしている」という記述はない。
②:「気後れしていた」という記述はない。
④:「自分が庭を〜気持ちになり」という記述はない。
⑤:「何もない〜思いになり」という記述はない。
こうした選択肢の多くは、「それっぽいけれど、そんなことは本文で述べられていない」というタイプがほとんどです。
本文の内容と明らかに食い違っていたら、流石にわかりますもんね。
問題を解くにあたっては、とにかく「本文に書かれていることだけを根拠にする」よう気をつけましょう。
なんとなくそれっぽい、とか私はこう思う、というのは関係ありません。
センター国語 第 3 問(古文)の攻略法
古文からの出題です。
見開き 1 つ分(2 ページ)程度の文章量です。
まず、本文の前のあらすじや場面の紹介があるケースが多いので、必ず読むようにしましょう。
上の問題でいうと「高柳の宰相には十四、五歳になる美しい姫君がいた。〜ところから始まる。」の部分です。
傍線部の解釈を問うもの
本文中に 3 つの傍線部があり、各々について解釈を問う問題です。
あくまで古典文法・単語の意味に忠実に解釈していきます。
まずは傍線部を分解し、意味を調べましょう。
例えば(ア)の場合は次のようになります:
しづ心:静かで落ち着いた心
なく:なく
思ひ:思い
奉り:(謙譲の意味)
ける:(過去)
こそ:(強意)
あさましけれ:「あさまし」の已然形。驚き呆れるほどだ、といった意味。
これら全ての要素が正確に反映されているのは②であり、これが正答となります。
傍線部を分解し、それの意味を一つ一つチェックする。
地道ですが、これが正しい解法です。
心情を問う問題
心情を問う問題ですが、小説同様、事実を元に答えを絞っていきます。
各々の選択肢を読むとどれも「それっぽい」のですが、本文の内容に即しているのは一つだけです。
上の問題の場合、
①:「前の世いかなる罪の報いにて」の解釈が誤っている。(字面は似ているが)
②:このような事実はない。
③:「なんとなく」という曖昧な表現はない。
④:「人間に化けるという悪行」が本文と一致しない。
という理由で、正解は⑤になります。
選択肢同士の比較を始めるとだんだん混乱してしまうので、あくまで本文と一致しているかどうかを考えるよう心がけましょう。
センター国語 第 4 問(漢文)の攻略法
漢文からの出題です。
1 ページ分程度の文章量となっています。
日本語でないということもあり、語注が大変多いのが特徴です。
文章読解に欠かせないものばかりですので、本文を読みながら必ず参照するようにしましょう。
漢字の本文での意味を問うもの
傍線部の漢字の、該当箇所での意味を問う問題です。
ただ元々が日本語でないために、文脈から判断するのは困難です。
漢字の読み方に関する知識量が問われる問題といえるでしょう。
例えば(ア)は「こたフ」という読みです。
これを知っているかどうかが、そのまま正解できるかどうかの分かれ目となります。
(イ)は「すなはチ」という頻出の読み方です。
文脈からの判断が難しい以上、日頃の漢文演習で読み方に関する知識を蓄えておきましょう。
漢字の意味に興味がある人は、無理に暗記せずとも自然と解けるはずです。
漢文の書き下し及び解釈
漢文の書き下し及びその解釈を問う問題です。
(代わりに返点の付け方と書き下し文の組を問うこともあります。)
書き下しと解釈の双方が揃っているので、様々な観点で答えを絞っていくことになります。
今回の場合、頻出の(特徴的な)句法が見当たらないので、解釈を元に選ぶことにしましょう。
今回の場合、(本文の解釈は省略しますが)杜甫の寝場所を移し、運気をよくしてくれた〜という内容が後に続いています。
柱を移動するといった類の話ではなく寝場所の問題なので、正解は③となるのです。
もちろん、句法で絞るのが有効な場合もあります。
まとめ:事実をもとに問題を解こう!
という訳で、センター国語の問題構成等や典型問題の攻略法をご紹介しました。
どの大問でも共通して述べたことがあるのですが、気づきましたか?
…そう、「本文に忠実に解く」ということです。
自分の気持ち・勝手な解釈をもとに問題を解いてはいけません。
本文に書いてあることに一致する選択肢を選ぶ。それだけです。
特に、選択肢同士の比べっこを始めると泥沼にハマるので要注意。
この記事の内容を頭に入れ、センター試験で高得点を獲得しましょう!