スタクラ情報局
2019.10.30
埼玉県公立高校入試【過去問題集】の効果的な使い方
埼玉県 公立高校入試問題集の使い方
受験生にとっては、受験勉強をする際に必須となる過去問題集。
秋以降に過去問題集に取り組む受験生も多いと思います。
この記事では、埼玉県公立高校入試の「傾向と対策」を踏まえたうえで、過去問題集を効果的に使うポイントをお伝えします。
過去問題集に取り組む目的とは?
過去問題集に取り組む目的は、主に4つあります。
入試問題のレベルや出題傾向を知る
公立高校の入試問題は、都道府県ごとに異なります。
そのため、埼玉県の受験生は、埼玉県の入試問題のレベル感や例年の出題傾向を知っておくことが大切です。
私立高校の場合は、入試問題が学校ごとに異なりますので、レベルや傾向を知るために、受験する予定の学校の過去問題集は全て取り組むようにしましょう。
自分の現在地を知る
過去問題集を解いたら、すぐに採点をしましょう。
自分自身の得点力の現在地を知ることはとても大切です。
そのうえで、自分のレベルと入試問題のレベルを分析したうえで、効率的な学習計画につなげましょう。
入試に向けての学習計画を練る
入試までの限られた時間の中で、確実に合格までたどり着くためには、出題傾向を知ったうえで、特に出題頻度の高い分野については、重点的に学習しておくなど、計画的に進める必要があります。
毎年のように出題され、かつ自分自身が苦手な分野であれば、優先的に取り組む必要がありますよね。
時間配分を考え、本番を想定した訓練
入試本番は、普段の学校でのテストや模試とは異なる緊張感があるものです。
過去問題集に取り組む際は、時間をはかり、時間配分にも気を配りながら、本番を想定して取り組むようにしましょう。
埼玉県公立高校入試の傾向と対策
国語出題ポイント
文章の読解、文法や漢字の知識、古典(漢文も含む)の読解および知識、作文と幅広い分野から出題されます。
現代文では、小説・論説文ともに、書き出しと書き終わりを指定された記述問題 (40~50字前後が多い)が出題されるので、本文の内容を理解した上で、解答欄に合うように適切な表現で答案をまとめる力が求められます。
古典でも、単純な現代語訳ではなく、内容の正確な理解を問う出題が見られます。
正確な文章理解とともに、記述力が必要とされる出題傾向です。
2019年度入試では、「新聞の投稿記事」と「それについての話し合いの様子」の資料を読んで解く問題が出題されました。
今後はこのような出題パターンにも注意が必要です。
国語の対策
文章を読み取ったことや、自分の考えを文章にまとめる力は、訓練しなければなかなか身に付けることはできません。
過去聞などに取り組 み、適切な表現と指定の字数で、答案をまとめる練習をしておきましょう。
また、知識問題は知っていれば必ず得点できるので、中学校で学習した文法事項は復習しておきましょう。
漢字や慣用句なども、本や新聞を読む機会を増やしたり、参考書などを活用して少しずつ覚えてください。
国語(作文)の課題
例年、あるテーマについて自分の意見や考えを書く課題が出ています。
与えられたテーマに関係する文章または資料(グラフ)が提示されており、その内容にもとづいて書かなければなりません。
また、自分の体験(見たことや聞いたことも含む)をふまえて書くことが条件です。
提示きれる資料(グラフ)は、勉強・仕事などについての意識調査の結果で、受験者自身の学校生活や将来などについて考えさせる内容になっています。
文章は、言葉の使い方やあいさつなど、生活する上で大切にしたい事柄について考えさせる内容が多いです。
31年度は、「読書を推進するための取り組み」についての題が提示されました。
今後は、世の中で問題となっている事物への見解を問う課題が出題されることを想定して、200字前後で書く練習を積んでおきましょう。
課題作文の書き方
1.書き始める前に
① 課題を的確につかむ
作文問題は、与えられた課題と条件を正しく把握してから書くことが大切です。
埼玉県の場合は、あるテーマについて自分の考えや意見を書くという課題で、指定字数は 200字程度。
限られた字数で、必要な条件を満たして文章をまとめるためには、書く内容を吟味し、構成を練る必要があります。
②作文を書くための準備
問題用紙の余白などを使い、書く内容をメモしましょう。
「資料からわかること」「 自分の体験」「 自分の意見・考え」に分けておくと、文章の構成を考えやすいです。
2.作文を書く
メモをもとに、文章を書きます。
原稿用紙の正しい使い方に従い、丁寧な字で書きましょう。
わかりやすい表現を心がけ、話し言葉は避けます。
1文が長くなりすぎないように注意しましょう。
文のねじれ(主語と述語、修飾語と被修飾語の対応が正しくないこと)が起こりにくくなります。
3.見直し
見直しは必ず行いましょう。
誤字・脱字、助調の使い方、文のねじれ、文体の統一(ですます調・だである調のどちらかに統一)などには、注意してください。
見直すための時間も考えてペース配分してください。
数学の出題ポイント
毎年、いろいろな分野からバランス良く出題されています。
問題内容も基本的なものが多いが、大問3と大問4は関数・図形の融合問題や平面図形の応用問題、文章を読み取って解く問題、規則性の問題となっており、思考力を要する出題となっています。
また、求める過程を記述させたり、合同や相似・図形の性質などを証明させるものが必ず出題されており、思考力や表現力が試されています。
数学の対策
思考力・表現力を問うために、新傾向の問題や図形の総合問題等、総合力が問われる内容が出題されると思われます。
まずは、教科書にのっている基本問題の習熟に努め、次に苦手な分野に重点を置いて演習してください。
また、証明問題は、定理の内容や図形の基本性質をしっかり身につけ、数多くこなすとともに、普段から解き方や式などをできるだけ細かく、ていねいに書きながら解く習慣を身につけておくと良いでしょう。
英語の出題ポイント
リスニングの問題数が多く、問題形式も種類が多いです。
対話文の内容に関する質問の答えとして、適切な図を選ぶ問題。
ある場面を説明する短い英文を聞いて、その場面の発言として適切な英文を選ぶ問題。
対話文を聞いて、その内容に関する質問に英語で答える問題。
英文を聞いて内容に関する質問の答えとして、適切な英文を選ぶ問題が出題されています。
筆記問題では、文法のレベル、扱われている単語はいずれも教科書程度の基礎的なものが中心です。
英語の対策
リスニングについては、英文を聞きながら内容をメモする練習をしておきましょう。
日本語で答える問題については、あらかじめ質問が与えられているので、答えとなる部分を中心に英文を聞き取るこ
と良いでしょう。
読解問題の対策としては、代名調や指示語の表している内容をまとめるなど、内容把握の練習をしておきましょう。
日本語記述と英問英答が出題されるので、問われた内容を的確に答える練習もしておく必要があります。
英作文については、さまざまな事柄について自分の考えを書けるようにしておきましょう。
理科の出題ポイント
出題は、教科書で扱う実験や身近な科学現象をもとにした内容が中心となっています。
実験や観察に関する問題では、実験手順や注意点、結果、考察の他に、結論に至った考え方など、基礎知識 から掘り下げた内容までを問う傾向にあります。
近年は出題分野の偏りが少なく、記号選択問題よりも論述問題や計算問題、作図問題の割合が大きいので、幅広い知識と応用力が必要です。
理科の対策
計算問題が複数出題されるので、さまざまなパターンの計算演習を行い、公式や法則を自由に使いこなせるようにしておきましょう。
実験・観察に関する問題では、図表を見て答える問題もあるので、日頃から必要なデータを読み取ることができるようにしておきましょう。
また、文章記述問題では、観察や実験の手順や結果、用語の意味などを自分のことばで、筋道を立てて表現できる力を備えておきたいところです。
社会の出題ポイント
地理・歴史・公民すべての分野において、資料を活用し解答する問題が多く出題されています。
問題に用いられる資料も、さまざまな種類のグラフ、 表、写真、年表、地図など広範囲にわたっています。
基本的な知識を問う問題がほとんどですが、資料をもとにそこから簡単な計算をしたり、資料から読み取って推察したりする問題も出題されています。
地理は地形図を読み取る問題が例年出題されており、歴史はできごとを年代順に並べかえる問題が出題されています。
また、地理・歴史・公民のすべての分野で、短文を記述する問題が毎年5~8間程度出題されており、普段から慣れておく必要があります。
社会の対策
地理・歴史・公民の全分野で、基本的な知識を問う問題が中心となっています。
まずは、教科書の基礎事項を身につけましょう。
資料読み取り問題も、全分野を通じて多数出題されているので、教科書などの資料をよく見ておくとともに、問題集や入試の過去問などで慣れておくと良いです。
また、地理・歴史・公民のすべての分野で短文記述の問題が出題されているので、こちらも問題集や過去聞で練習をし、知識を身につけるとともに表現方法も身につけておきましょう。
埼玉県 公立高校入試問題集の効果的な使い方
埼玉県 公立高校入試問題集はいくつか出版されていますが、ここでは(株)ユーデックが出版している「埼玉県 公立高校入試問題集」を使って説明します。
ユーデック 過去問題集【令和2年度受験用】の特徴
平成29年度~平成31年度入試を収録、平成27年度・28年度はダウンロードして使用できます。
英語リスニング問題も音源をダウンロードする形式です。
実際の入試問題冊子と解答用紙を打ち直しせず、そのまま使用しています。
問題の体裁は、実際の入試と全く同じとなっており、実際の入試問題と同じ形式で過去問題を解くことができます。
別冊付録「5科ポイントブック」がセットになっており、各単元のおさらいができます。
詳しく丁寧な解説はもちろん、他ではない特徴として、英語長文・リスニングスクリプトの本文および日本語全訳と、古文の口語訳が収録されています。
もちろん、実際の入試を細かく分析のうえ導き出した、独自の出題傾向と予想・対策を収録しています。
使い方
①問題を解き、実際に解答用紙に書き込みましょう。
(別売の解答用紙をコピー、または、ユーデックの特設サイトより解答用紙をダウンロード、印刷して使用してください)⇒各教科の実際の試験時間に沿って問題を解くようにしましょう。
②答え合わせをします。
③間違ってしまったところ、できなかったところを、解説を読みがなら復習してください。
④間違ってしまった、できなかった単元を「5科ポイントブック」で確認します。(解説ページには、その問題で問われている単元が「5科ポイントブック」のどのページに載っているかが示されています。)
⑤「傾向と対策」を読み、実際の入試でどのような問題が出る傾向にあるのかを把握し、どのような問題が出ても対応できるようにシミュレーションしておきましょう。
⑥問題を繰り返し解くことで、出題傾向を覚えこみましょう。いつでも復習・確認できるように、「5科ポイントブック」を常に携帯しておくと便利です。
まとめ
過去問を有効に使うためには、解きっぱなしにせず、間違えたところ、できなかったところをしっかり復習することが大切なポイントです。
そして、5年分の問題を繰り返し解くことで、出題傾向が頭にインプットされて、苦手単元・弱点を効率的に補強していくことが出来ます。
過去問題集を有効に活用して、実力をあげ、志望校合格につなげてください!