スタクラ情報局
2019.10.07
受験で緊張しすぎないためのメンタルコントロール術
入試本番に強くなるためのメンタルコントロール術
受験生であれば、本番の入試が近づけば近づくほど、また、志望順位が高い学校の入試であればなおさら、不安や緊張感が高まるものです。
この記事では、受験生が不安や緊張感への対処法を知り、入試本番で自分の最高のパフォーマンスを発揮するためのメンタルコントロール術について述べていきます。
我が子に、メンタル面で何かしらサポートをしたいとお考えの保護者の方にも、ご参考になればと思います。
自分の感情に気づいて認めてあげる
緊張や不安とは?
受験生であれば、入試が近づくにつれ、緊張感が高まったり、「合格しなかったらどうしよう?」といった不安な気持ちになってしまうものです。
模試や定期テストのたびに緊張に襲われるという受験生もいることでしょう。
そして緊張やプレッシャーから、目の前にある問題が解けず、焦りを生み、本来なら解けるはずの問題まで取りこぼしてしまうような経験があると思います。
また、様々な不安な気持ちがあると集中力を欠き、勉強そのものが手につかないといった経験もあるかもしれませんね。
このことは、勉強に限らず、スポーツや様々なシーンでも起こるもの。
そして、人はそのような緊張や不安から、普段の持てる力を発揮しきれず、不本意な結果に終わり、自信を失う体験をすることがあります。
緊張や不安の正体は、実は「自分自身の感情」です。
感情は「出来事や刺激」に対する自然な反応として、自分自身が教えてくれる「サイン」です。
緊張で心臓がバクバクしているからといって、心臓から緊張が生まれているわけではありません。
緊張や不安といった感情を生み出すのは「脳の働き」です。
そしてこの脳の働きによって生み出された、感情というものは自分自身でコントロールすることはできないものなのです。
緊張してしまったとき、どうしてる?
皆さんは緊張してしまったとき、どうしていますか?
緊張することは「良くないこと」だと考え、「緊張するな!」「落ち着け、落ち着け!」などと、自分自身に言い聞かせたりしていませんか?
ところが自分の思い通りには緊張はほぐれず、下手をすれば、ますます緊張が高まるといった経験をした人もいると思います。
これは、感情という、自分自身ではコントロール(どうすることも)できないものに対して、思考や理性で必死に対抗しようとしている状態なんです。
自転車に例えるならば、走ろうとして一生懸命にペダルをこぐのと同時に、ブレーキをかけている状態と同じようなもの。
無理しすぎたら故障してしまいますよね。
緊張や不安になっている自分を否定しない
緊張や不安というものは、「自分自身ではコントロールできない感情」であることは理解してもらえたと思いますが、ではどうすればよいのでしょうか?
みなさんは、「緊張や不安=マイナスの感情(悪いこと)」ととらえていませんか?
人は知らず知らずのうちに、「感情を評価する習慣」が身についています。
「プラス思考とマイナス思考」や「ポジティブとネガティブ」など、「プラス・ポジティブ=良い」「マイナス・ネガティブ=悪い」と考えるものです。
緊張や不安をマイナスの感情(悪いこと)として評価することを繰り返しているうちに、次第に「緊張や不安を抱いてしまう自分自身への評価」に変わっていきます。
緊張や不安を感じてしまう自分を「ダメな人間」と評価することで、自分自身を否定し始めます。
その結果、自己否定感が増し、パフォーマンスの低下やストレスの原因になってしまうのです。
ここで大切なのは、感情を「評価しない」ことです。
緊張してしまう自分に対して、「認めてあげる」「共感してあげる」「受けとめる」ことです。
緊張すること自体は、悪いことではなく自然なことだととらえ、緊張している自分をまずは認めてあげましょう。
緊張していても行動できる
緊張してしまった場合で、最も大切なことは、緊張していたとしても「行動し続ける」ことです。
緊張している自分に対して、「緊張しないでやろう!」という指示を出しても、コントロールはできません。
なぜなら感情に対する指示だからです。
緊張していたとしても「確実にできる行動」をとり続けることが何より大切です。
受験勉強中に不安になってしまったときも同様です。
「不安になってる場合じゃないぞ!」という指示を出しても、不安を感じている自分をコントロールすることはできません。
不安を感じていたとしても、机に向かい、問題集に手を付けるなどの「確実にできる行動」を起こすことが大切です。
メンタルコントロールのポイントは、感情をコントロールしようとするのではなく、マイナスの感情を感じていたとしても、目標達成のために必要な「行動」を起こし続けられるようコントロールすることです。
「できた」を積み重ねよう!
緊張していたり、不安を感じていたときでも「行動できた」という体験を積み重ねていきましょう。
例えば、受験に対する不安に襲われ、勉強が手につかない状態になったときには、不安になっている自分を受け入れ、確実にできる行動に着目しましょう。
まずは「机に向かうだけ」でもOKです。
「参考書や問題集をひらいてみる」でもOK。
確実に簡単にできることだけで大丈夫です。
仮に集中しきれなかったとしても、その時点では、「合格点」を自分にあげてください。少しずつでも「できる」ことを積み上げていくことが大切です。
不安を感じて何もできないでいるよりも確実に前に進んでいますよね。
入試本番での想定外をつくらない
本番で起こったらイヤだな(最悪だな)と思うことをイメージしておく
アスリートは、試合前に「イメージトレーニング」を行うと聞いたことがあると思います。
自分が試合で活躍する「良いイメージ」を試合前にもって本番に備えるというものですね。
しかしながら、良いイメージのままでは終わらないことも、もちろんあります。
実は、本番で起こったらイヤだな(最悪だな)と思うこともイメージしておくことも必要なんです。
プロボクシングの井上尚弥選手は、試合が決まると「対戦相手を過大評価」するようにしているそうです。
自分が「倒されて負けるイメージ」までも持つようにしています。
そのうえで、相手の様々な攻撃に対して、自分自身がどう対処していくのかを練習の中でシミュレーションしているそうです。
いざ試合が始まったときには、試合前にイメージしていたよりも「相手は強くない」と感じることが出来、自信をもって試合を進められるとのこと。
入試など試験においても同様のことができますよね。
本番で起こったらイヤだなということを事前に用意しておきましょう。
感情の準備
入試の本番で起こったらイヤだなと思うことをイメージする際には、「感情の準備」もいっしょにしておくのがおススメです。
そのときに自分がどんな感情を抱くのかもイメージしておくのです。
例えば、「焦り・怒り・ショック」などといった感情です。
行動の準備
最後は行動の準備です。
本番で最悪なことが起きて、「焦りや怒り、ショック」を受けたとしても、そのときに自分が何をすべきか(確実にできる行動)を考えておきましょう。
起きてほしくないことを具体的にイメージし、心の準備も整えておけば、いざという時にもアクションを起こしやすくなるものです。
本番での想定外をなくし、あらゆる状況下でも自分の持てるパフォーマンスを最大限に発揮するためには、必要な準備です。
まとめ
緊張しやすい人、不安になりやすい人は、自分がメンタルが弱いと思いこみがちです。
そんな自分がイヤで無理やりにポジティブになろうとしたりします。
しかしながら大切なことは、仮にマイナスな感情を抱いてしまった場合であっても、目標を達成するために、必要な「行動」を起こし続けられることです。
緊張したり、不安になったりしてしまう自分を否定するのではなく、受けとめたうえで、確実にできる行動を起こし続けるようにしましょう。
たとえ小さな一歩だとしても、必ずゴールへと向かうことが出来ます!