スタクラ情報局
2019.06.08
プログラミング入試 は中学受験で増加するのか
プログラミング入試が中学受験で増加
首都圏中学入試においてプログラミングを入試で選択できる学校が出てきています。近年の教育改革、中学受験動向から、その可能性を考えてみたいと思います。
首都圏中学入試動向
そのような中、大学入試改革を控え、積極的に新たな取り組みにチャレンジする中堅クラスの学校にも受験生が集まっており、近年増加傾向にあるのが「適性検査型入試」と「英語入試」です。
適性検査型入試
新たに実施される「大学入学共通テスト」では、各教科の知識に加え、「思考力・判断力・表現力」が問われます。このような変化にあわせ、従来の「2教科」「4教科」入試ではない「適性検査型入試」が増えてきています。過去3年の実施校推移は、120校⇒136校⇒147校となっており、今後も増えると思われます。また、人気を集める公立中高一貫校の入試も「適性検査型入試」で行われ、思考力・判断力・表現力が求めらています。
英語入試
「英語入試」も95校⇒112校⇒125校と増加が続きます。大学入試改革により、英検やGTECなど民間試験の導入、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能評価が進む中、英語を科目選択できる学校が増えてきています。慶應義塾湘南藤沢中学が導入したことから、今後は大学付属校でも導入が進む可能性があり、中学入試における英語の導入はさらに加速することが予測されます。求められる英語力は、英検3級程度から、難易度の高い学校では準1級や2級レベルの学校も出てきています。
プログラミング入試の動向
プログラミング入試の現状
今回のテーマであるプログラミング入試の実施状況です。2019年入試では、駒込中学(東京都文京区)・大妻嵐山中学(埼玉県比企郡嵐山町)・相模女子大学中学部(神奈川県相模原市)・聖徳学園中学(東京都武蔵野市)などで実施されました。
駒込中学
駒込中学ではSTEM入試が2019年入試よりスタートしました。STEMとは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の各分野を横断的に学び、学んだことを活用することを目的とした21世紀型の新しい教育です。
STEM入試は、アルゴリズムと四則計算が中心の「STEMⅠ」と、プログラミング が中心の「STEMⅡ」が行われました。「STEM II」では、小学生向けのビジュアルプログラミング言語のScratch(スクラッチ)を使用します。「三角形の周りを猫が3周するプログラムを考える」問題などが出題され、どのようにプログラミング をするべきか考えさせます。終了後にはグループディスカッションもあり、自分のプログラムを説明したり、工夫した点などをディスカッションする形です。
大妻嵐山中学
大妻嵐山中学のプログラミング入試は、小学生向けプログラミング言語のScratch(スクラッチ)やピョンキーなど(その他のソフトでも可)を利用し、物語やゲームなどを自由に制作します。入試ではその作品を起動し、作品について面接官にプレゼンテーションをするという内容です。これからの時代に求められる力に焦点を当てた「みらい力入試」として行われました。
2020年入試は1月11日(土)午後に「みらい力表現型入試」として実施予定 2019年11月17日には、「プログラミング女子になろう!」わくわくワークショップが開催される予定。
相模女子大中学部
相模女子大学中学部の入試は、1月に行われたプログラミング体験会に90名超が集まり、注目を集め、2月1日に実施されました。2月1日以外の日程を希望する受験生が多かったことから、2月11日に追加日程を用意するなど注力しています。発表やディスカッション、基礎計算力テストと併せて実施されました。
2020年入試に向けては、「プログラミング体験会」「プログラミング入試体験会」を複数回開催予定となっています。
聖徳学園中学
聖徳学園中学では、Sphero(スフィロ)というボール型ロボットを使用し、思考力・判断力・コミュニケーション能力・プログラミングを楽しむ力を評価する内容でした。事前に入試に対応したプログラミング教室が月1回開催され、受講することができます。
求められるプログラミングスキル
2019年実施された中学校の入試を見る限り、高度なプログラミングスキルを求めるわけではなく、ビジュアルプログラミングのみの経験やプログラミング経験が浅い受験生でも対応できる内容になっています。プログラミングの基礎を学び、プログラミング的思考を理解したうえで、自分の作品を通じて自分の考えを表現できるようになることが入試の対策となります。
プログラミング入試の背景と今後の展望
このようなプログラミング入試が導入される背景として、まずは小学校でのプログラミング教育必修化があげられます。本格的な「コーディング」を学ぶというより、課題を見つけ、課題解決するために手段を考え、その実行手順を考えるといった「プログラミング的思考」の習得が目的です。小学生向けのプログラミング教室も増えてきており、プログラミングを学ぶ小学生は確実に増加していきます。
また既に大学入試においては、プログラミングスキルを持った受験生が難関大学に合格を果たしているという現実もあります。東京大学の推薦入試や京都大学の特色入試、慶應義塾大学のAO入試などでは、「プログラミングコンテスト」などで優秀な成績を修めた受験生が合格をしています。さらに一般入試においても慶應義塾大学などで既に入試科目に設定されています。
IT人材の不足が続く我が国の状況もあり、今後ますますプログラミングの必要性は高まるのは間違いありません。
このような背景から考えて、中学入試におけるプログラミング入試の導入は、今後ますます増えていくことが予測されます。AIの進化により、今ある職業の半数がなくなる時代が来ると言われる中で、必修のスキルと呼べるプログラミングは小学生のうちから学び、これからの時代にふさわしい新しい入試の形にも対応できるようにしておきましょう。
2020年入試情報
八王子実践中学
プログラミング入試(新設):タブレットを使ってプログラミングした内容をプレゼンテーションする形式の予定
ジュニア・プログラミング検定の合格者優遇について
ジュニアプログラミング検定の合格者を入試で優遇する中学が出始めました。以下が優遇校の一覧です。
大妻嵐山中学(埼玉県)
優遇対象となる級:全級
プログラミング入試にいて合格判定を優遇
八王子実践中学
優遇対象となる級:全級
プログラミング入試において実技試験を免除
相模女子大学中学部
優遇対象となる級:全級
プログラミング入試において合格判定を考慮
ジュニアプログラミング検定について
ジュニアプログラミング検定公式サイト
https://www.sikaku.gr.jp/js/ks/
スタディクラブのプログラミング「Code Tech Lab」
https://www.code-tech-lab.com/
※スタディクラブは「ジュニアプログラミング検定」の検定実施会場になっています。
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