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確率の計算ができないキミへ(数学A)

確率の計算の基礎

確率の計算ができない。

そう悩む人は多いのではないでしょうか?

数学A の「確率」の分野は、基本さえ理解すれば簡単ですが、それまでが大変。

確率がきっかけで数学が嫌いになってしまう人もいるはずです。

 

そこでこの記事では、数学A の山場の一つ「確率」の基本をお伝えしていきます。

以下の内容をゆっくり読めば、確率の計算ができるようになるでしょう。

「同様に確からしい」ということ

まずは、確率の重要概念である「同様に確からしい」ということについてお話しします。

飛行機に乗ったことはありますか?

沖縄や海外などに旅行するときはほぼ必ず使いますよね。

でも、飛行機で事故に遭ったことのある人はそういないはずです。

  • 飛行機が落ちる
  • 飛行機が落ちない

の 2 通りある訳ですが、飛行機が落ちる確率は絶対に 1/2 ではありません。(もしそうだったら、世の中大変です。)

つまり、何も考えずに事象を列挙し、それらの確率を等しいと仮定するのはダメなんです。

等しい確率になるまで分解する

とすると、確率の計算で重要になるのは

「等しい確率の要素まで分解する」

ということなんです。

 

例えば、サイコロを振ると以下の 6 つの事象のうちいずれか 1 つが起こります。

  • 1 の目が出る
  • 2 の目が出る
  • 3 の目が出る
  • 4 の目が出る
  • 5 の目が出る
  • 6 の目が出る

さらに、これらが起こる確率は(通常のサイコロであれば)等しく、各々 1/6 です。

 

このように、発生確率が等しいことを「同様に確からしい」といいます。

サイコロを振る時も、コインを投げる時も、この考え方がベースになっています。

「同様に確からしい」から、確率の計算ができる

「同様に確からしい」という概念は、確率の計算のときに必須です。

例えば次のような問題を考えましょう。

 


例題
さいころを投げたときに、出た目が 3 の倍数になる確率を求めよ。


 

先ほどの飛行機の話と同じで、

  • 3 の倍数になる
  • 3 の倍数にならない

という 2 つのケースがあるから 1/2 、という考え方はNGです。

 

解答

さいころを振ったときに起こる事象は以下の 6 通りで、これらは同様に確からしい。

  • 1 の目が出る
  • 2 の目が出る
  • 3 の目が出る
  • 4 の目が出る
  • 5 の目が出る
  • 6 の目が出る

出た目が3 の倍数となるのは「3」「6」の 2 通りであるため、求める確率は

 

同様に確からしい事象までバラしたことで、確率が

(条件を満たす場合の数)/(同様に確からしい事象の場合の数)

と計算できるわけです。

だから、「同様に確からしい」事象までバラすのが重要なんですね。

漏れ・重複がないということ

同様に確からしい事象まで分解したら、あとは場合の数のカウントをします。

ただ、そこでも注意点があります。

漏れがあってはいけない

例えば次のような問題があったとしましょう。

 


例題
さいころを 1 個投げるとき、出目が 6 の約数になる確率を求めよ。


 

このとき、6 の約数に 6 自体が含まれることを忘れてしまって、次のように答えてしまったとします。

 

誤解答

出目は 1, 2, 3 のいずれかであれば良いので、求める確率は  となる。

 

これはもちろん不正解となります。

考えられる全てのケースについて、その場合の数を足し算しなければならないためです。

場合の数の計算時に漏れがあってはいけません。

※正解は  です。

重複があってはいけない

一方で、場合の数のカウントに重複があってもいけません。

 


例題
2 個のさいころを投げるとき、出目の少なくとも一方が 3 の倍数である確率を求めよ。


 

この問題を次のように考えたとします。

 

誤解答

2 つのさいころを A, B とする。

A が 3 の倍数になる確率は 1/3、B が 3 の倍数になる確率は 1/3 であるため、求める確率は  となる。

 

この足し算では、A, B の双方の出目が 3 の倍数となるケースを重複してカウントしているんです。

同じ事象を複数回カウントしてしまっては、確率を正しく計算できません。

したがって、漏れがないだけではダメで、重複も回避する必要があります。

※正解は  となります。

問題に挑戦しよう

以上の内容に注意して、実際に問題を解いてみましょう!

余事象などの知識については、問題の中で触れていきます。

コインを投げる問題1

問題
コインを 2 枚投げるとき、表が 1 枚、裏が 1 枚となる確率を求めよ。


 

ここでも、同様に確からしい事象にばらして考えましょう。

 

解答

各コインで表が出る確率と裏が出る確率は等しく、共に 1/2 である。

よって各々のコインの表裏で全て場合分けして考える。

2 つのコインを A, B と名付けたときに、事象は上の表の 4 通り(= 2 x 2)あるが、これらは同様に確からしい。

表が 1 枚、裏が 1 枚出るのは上の表で色をつけた部分であるため、求める確率は  となる。

 

注意

しつこいようですが、

  • 2 枚とも表
  • 表が 1 枚、裏が 1 枚
  • 2 枚とも裏

という 3 つは同様に確からしくないので、答えは 1/3 ではありません!

コインを投げる問題2

問題
コインを 3 枚同時に投げるときに、少なくとも 1 枚は表になる確率を求めよ。


 

余事象も使えますが、いったん地道に考えます。

 

解答1

表が出ることを O、裏が出ることを X と書くことにする。

コインを順に A, B, C と命名し、各々の出目を

A が表、B が裏、C が裏 → (O, X, X)

のように表す。

3 つのコインの出目は以下の 8 通り(2 x 2 x 2)であり、これらは同様に確からしい。

(O, O, O), (O, O, X), (O, X, O), (O, X, X)
(X, O, O), (X, O, X), (X, X, O), (X, X, X)

このうち条件を満たすのは (X, X, X) 以外の 7 通りなので、求める確率は となる。

 

解答2

余事象の考え方を用いる。

「少なくとも 1 枚表が出る」の否定は「全て裏が出る」である。(これが「余事象」!)

全て裏となる確率は、 である。

したがって、求める確率は  である。

 

解答2(余事象を用いたもの)も便利です。

余事象の考え方を忘れてしまった人は、教科書をよく復習してみてください。

さいころを投げる問題1

問題
さいころを 2 つ投げるとき、出目の和が 6 になる確率を求めよ。


 

解答

さいころを 2 つ投げるとき、全ての目の出方は 6 x 6 = 36 通りである。

そのうち、出目の和が 6 になるのは

(1, 5), (2, 4), (3, 3), (4, 2), (5, 1)

の 5 通りであるため、求める確率は  となる。

条件を満たす目の出方は、上表の色をつけた部分のようになります。

 

2 つのさいころを区別して 6 x 6 = 36 通りとしないと同様に確からしい事象まで分解できません。

そこに注意しましょう。

さいころを投げる問題2

問題
さいころを 3 つ投げるとき、出目の和が 6 になる確率を求めよ。


 

さいころの個数が増えて一見大変ですが、冷静に処理していきます。

 

解答

3 つのさいころの全ての目の出方は 6 x 6 x 6 = 216 通りであり、これらは同様に確からしい。

和が 6 になるような出目の組み合わせは

(1, 1, 4)
(1, 2, 3)
(2, 2, 2)

であり、並び替えを考慮すると順に 3, 6, 1 通りである。

また、これらの出目は同時に起こることがない。

したがって、求める確率は  となる。

そのほかの確率問題

コインやさいころ以外にも、カードや文字の並び替えなど、確率問題の題材は様々あります。

 


問題
1 から 10 までの自然数が 1 つずつ書かれた 10 枚のカードが袋の中に入っている。この中から 2 枚を同時に取り出すとき、取り出したカードが 2 枚とも素数である確率を求めよ。


 

解答

全てのカードの取り出し方は  通りであり、これらは同様に確からしい。

10 枚のカードの中で、素数は 2, 3, 5, 7 の 4 枚ある。

したがって、取り出したカードが 2 枚とも素数であるような場合の数は  通り。

以上より、求める確率は  となる。

まとめ

数学A の山場の一つ「確率」の計算の基礎を説明し、具体的な問題も扱いました。

確率の計算でまず大事なのが、「同様に確からしい事象まで分解すること」です。

そして、場合の数をカウントするときは

  • 漏れがないようにすること
  • 重複がないようにすること

の双方が大事でしたね。

 

以上のことを意識して数学Aの教科書等を読み直してみると、だいぶ理解しやすくなると思います。

この記事で学んだことを他の問題で実践してみてください!